もくじ
『ブラリ民散歩』とは、
ろじへんメンバーが、長浜のまちをぶらりと歩きながら気になる建物やお店、地元の“民”をめぐるまちあるき企画です。略して“ブラタミ”と覚えてください♪
こんにちは!路地裏編集室です!
我々が拠点とする“どんどん”がある路地裏は、観光エリアからは少し離れた静かな場所にありますが、人情映画で大変有名な『男はつらいよ “第47作~拝啓、車寅次郎様~”』のロケ地となったちょっと自慢の路地裏。
ろじへんメンバーの移住の民・しのさん(東京下町出身)も“寅ちゃん”と呼ぶほどこの映画の大ファン。
せっかく長浜へ移住したのだから、映画が公開された30年前と今を見比べながらロケ地巡りをみようということに!
まずはみんなで1作目と47作目(長浜編)を予習し、いざ聖地巡礼へ!
映画『男はつらいよ』とは、
東京の下町生まれでテキ屋稼業を生業とする「フーテンの寅」こと車寅次郎が、何かの拍子に故郷の柴又に戻ってきては、何かと大騒動を起こす人情喜劇。旅先で出会う「マドンナ」との恋愛模様を日本各地の美しい風景を背景に描く。1969年から第1作がはじまり、全50作が公開され続けてきた人情味のあふれる山田洋次監督の映画。日本の至るところが映画のロケ地になっており、第47作 『男はつらいよ ~拝啓、車寅次郎様~』では、長浜の「菅浦」、「大浦」、「黒壁スクエア」が登場する。
“男はつらいよ”のロケ地を巡るなら、この方は絶対お呼びせねば!と長浜の面白い情報を紹介されている人気ローカルWEBマガジン『ナガジン』の編集長の村上さんをお誘いしたところ、快くOK!
ナガジン×路地裏編集室のスペシャルコラボがここに実現しました!
『寅さんが歩いた長浜じゃないんかい!?』とツッコミがありそうですが。寅さんは「菅浦」「大浦」をメインに登場されているため、今回はあえて、どんどんがフィールドとする「黒壁スクエア」界隈を歩いた満男がメイン。
寅さんの歩いた長浜は、ナガジンで丁寧かつ面白くまとめられていますので、寅さんバージョン(菅浦エリア)はぜひナガジンをご覧ください。
では早速行ってみましょう!
今回のブラタミは、寅さんの甥っ子“諏訪満男”が歩いた長浜旧市街と路地裏を辿るまちあるき。
長浜が舞台となった回は、寅さんとマドンナ・典子(かたせ梨乃)、満男ともうひとりのマドンナ・菜穂(牧瀬里穂)との旅先での淡い恋のお話が展開。
当時、寅さんを演じる渥美清さんが病気で体調を悪くされていたことを考慮され、中盤から後半に連れ、甥っ子・諏訪満男(吉岡秀隆)がお話の中心となっていきます。
今回歩いたのは上記のマップのような感じ。お話を伺ったり、映画のシーンを再現したりしながら、ゆーっくり回って約2時間コース。
以下、まっさらな気持ちでこれから映画を楽しみたい方は、ここから先はネタバレを含みますので閲覧にご注意くださいネ。
こちらは、満男の職場の先輩、川井先輩と妹の菜穂の実家、川井醬油店として撮影に使われたのがこちらの『鍋庄商店』。
明治2年からはじまり、地元で今も親しまれる老舗醤油屋さんです。
屋根の看板はセットで作られていたので、外観は映画と少し違いますが雰囲気はそのまま。香ばしいお醤油の香りが食欲をそそります。
山田監督ともお話されたという、6代目の山本さんから当時の貴重なエピソードをあれこれ伺いました!
鍋庄さんでのエピソードは近々記事にします。お楽しみに!
店内には映画に登場した俳優さんのサインもたくさん!
今でも映画の聖地巡礼としてお店に来られる方がたくさんおられるそうです。
満男は長浜に着くやいなや、うたたねする菜穂の寝顔を見てしまい、激怒されます。
そんな菜穂の怒りのまち案内に満男がついていく場面を、今回カメラマンとして同行してくれた長浜まちづくり会社のニューカマー・長浜くんとしのさんで再現。
それをキャッキャとシャッターをきるメンバー。
菜穂『大通寺。真宗大谷派のお寺です。お寺に興味がありますか?』
まち案内で最初に立ち寄った場所が大通寺。
今も趣ある姿で、まちの象徴的なお寺さんです。
本堂には、切絵作家・早川鉄平氏による切り絵を施したふすまも見物。
満男『あの、おねえさん...』』
映画のセリフが浮かんできます。
年下の菜穂におねえさん呼ばわりしてしまい、ここでさらに菜穂を怒らせてしまう場面。
菜穂の怒りのまち案内に、ついに満男も怒ってしまい、路地裏へ走って行くシーン。
どんどんは、満男が駆け込んだ路地裏の先にあります。
この日は天気が雨だったので、空気イスする満男役の長浜くん。
耐震のため、最近橋は新しくなりましたが、辻岡豆腐店さんの佇まいは今もそのまま。
橋の前には諌皷山(かんこざん)の曳山蔵があり、蔵から曳山が出てくるシーンはここ撮影でされています。
ここから路地裏シーンへ!
怒って路地裏へ駆け込んだ満男を先回りして待ち伏せする菜穂が通った路地裏。
今もタイルの壁なども当時の雰囲気のまま。
長浜には自転車がすれ違うのが難しいくらい細い路地がいくつもあります。
満男が犬に吠えられて木材が倒れるシーン。
ドジな満男を見つけた菜穂が大笑いして、ようやく二人が打ち解ける大事な場面。今も変わらず顕在します。
この路地の先に、ろじへんオススメの何を食べても美味しい路地裏の居酒屋“ぺんぎん食堂”さんがあります。まちを歩いたあとに一杯いかがでしょう?!
打ち解けた二人がお茶をする黒壁の中庭。
当時はカフェテラスでしたが、オルゴール館から現在は体験工房へと時代とともに館内も変化しています。外観は変わらず素敵な空間が残っています。
菜穂が映画中に“メインストリート”と呼んでいた観光地の中心、黒壁スクエア前にて。
観光エリアの中心部にあたり、古い街並みやガラス作品、食べ歩きなどが楽しめます。
少しずつ心の距離が近づいてきた満男と菜穂が曳山祭で子供歌舞伎を観覧していると、寅さんが横からヌッと現れ、ついに満男と長浜の地でご対面!
これはなんの跡でしょうか。
これは満男が寅さんに長浜で会ったことを母・さくらに電話で伝えた公衆電話の跡地です。
長浜駅から徒歩3分くらい、ビジネスホテルの脇にその映画名残がありました。
もう公衆電話はありませんが、切断された鉄の柱の跡をみながら「あったー!」と喜ぶメンバー。
映画のワンシーンを再現して大はしゃぎ。他所さんにはどう映っていたことでしょう(笑)
旧市街をかれこれ2時間ほどワイワイ歩いたあとは、地元のソウルフード“茶しん”のホワイト餃子で〆。
普段から何気なく歩いている場所を映画のシーンと重ねて歩いてみると、約30年前に撮影された場所が、今も当時と変わらない光景が至るところに残っていました。
これには、移住の民であるしのさんも「映画と同じだ~!」と大興奮!
「ずっと住んでいても、じっくり歩くと気づくこともたくさんあるもんだ!」と生まれも育ちも長浜のなつみさんも新鮮にみえた模様。
映画でみられた曳山祭は、この映画のために祭りの時期でない秋にわざわざ曳山を出して撮影されたものだと知りました。
神事を映画撮影のために扱うことに、当時もいろんな意見があったと想像します。映画を見た後にまちを歩くと、山田監督の熱い思いや、長浜の町衆たちの『やってやろう!』という心意気を感じずにはいられません。人気映画の制作の裏側にも、きっと人情味あふれるドラマがあったのでしょう。
ロケ地巡りが楽しくて再現写真が多くなり、ちょっぴり長くなりましたが、 いかがでしたでしょうか?(笑)
映画のシーンを辿ると昔と変わらない光景がたくさん残っていました。
じっくりとその土地の空気や暮らしにふれたり、人と話したりすることで、また来たいなと思えるまちになる。そんなことを改めて感じた楽しいまちあるきでした。
“男はつらいよ”の聖地として、また日本の原風景を訪れる旅として、寅さんや満男になった気持ちでぜひローカルなまち歩きを楽しんでくださいね!
~ナガジンver.の記事はこちら!~