そういえば、ちゃんと余呉湖の風景を見たことがなかったな。
そんなことを思いながら長浜駅からガタンゴトン。電車にゆられ、20分ほど北へ行ったところにある余呉駅へ降り立った。ひとつしかないホームの両脇には見渡す限りの田園風景。田植え前の春の田舎の風景が広がっていた。
トンビが田んぼの近くを低空飛行しながら、エサはおらんか?と耕したての土の中を調査をしている。奥にはまだ雪をかぶった山が見える。そんな春と冬の境目の風景の先に、このまちの象徴ともいえる余呉湖が見えた。
すかっとして気持ちが良い余呉駅のホーム。
ここでピクニックができそう・・・!
そう思い、一緒に下車した人たちの気配がなくなったのを見計らってから、あえてホームのベンチで持参したおにぎりを食べた。うん、コンビニおにぎりだけど、いつもより美味しいぞ。久々のあったかい天気にお出かけ気分が高まった。
せめて、余呉湖行こうよ(笑)
そう地元の方は思うかもしれないけれど、初めて降り立つ人間からすれば、この田舎の風景が一望できるホームはちょっと感動すら覚える。いや、実は地元の人もここがお気に入りスポットのひとつかもしれない。良い場所だなぁ。春だなぁ。
今回余呉へ訪れた目的は、いま余呉湖観光館のとなりの施設で開催されている『余呉湖畔の長浜くらしノート展』を見に行くこと。(そう、これが一番の目的!)
長浜生活文化研究所が主催する写真展で、湖北の風土や暮らしを大切に育んできた人たちのポートレート写真とその手でつくられている特産物を紹介する企画展。市民カメライター講座を受けていたご縁で、私も少しばかりこの企画のお手伝いをさせてもらった。(冨田酒造さんを取材させてもらいました◎)
どのような感じに展示されているのかとワクワクしながら展示会場へ。
余呉湖畔の集落「川並」出身のデザイナー、桐畑淳さんが中心になって設営された会場。あたたかみのある木枠のなかにひとりひとりをスポットでしっかりヒューチャーされてあった。
(関連記事:写真展/余呉湖の思い出 1950’s)
ポートレートは、湖北の風土を守る職人たちの人柄や仕事に対する姿勢を感じられ、それぞれの写真の下には彼らがつくっている商品が展示してあり、実物を見ることができる。写真と商品が置いてあることで、手仕事の丁寧さや暮らしに合わせたアイディアを知ることができるとても立体的な写真展だった。
上手い写真というものはたくさんあるし、その上手下手は正直素人目の私にはわからない。けれど、撮影される側と撮影している側の距離感がわかるような温度を感じられる写真はとても好きだなと思う。
見せ方ひとつで、ひとも特産品もより際立つ。
単に写真を飾るだけでは見逃してしまうかもしれない。映し出された写真の奥行きを少し立ち止まって考えてみたくなるような、展示の仕組み。空間デザインの力ってすごいな。
展示の仕方が丁寧であるだけで、ひとりでも多くの方に湖北の魅力を感じて欲しいと願う企画者たちの想いまで透けて見えてくるようで。見ているこちら側も嬉しくなった。
「余呉湖畔の長浜くらしノート展」
●期 間:2019年4月1日-14日 10:00-15:00
●会 場:余呉湖観光館となり(旧はごろも市)
●MAP : https://goo.gl/maps/X7Z9dJsaX6o
●主 催:長浜生活文化研究所with Atsushi Kirihata
●協 力:Chiho/Maia/Masayo/Miho/Miwako/Yuki
●展 示:
〇展示を行う物産店舗(予定)
池原そば道場/ウッディパル余呉/菊水飴本舗/株式会社三徳/白川ファーム山肉亭/ダイコウ醤油/冨田酒造有限会社/つるやパン/ながはま森林マッチングセンター/みつとし本舗/ムーンフードジャパン/山路酒造有限会社
〇余呉の風景と暮らし写真展
〇残したい余呉の大切な文化
(展示品の一部販売も行います)
写真展を見終わったあと、展示を見にいくタイミングが偶然一致した友人の中山君とローカルフォトメンバーの小野さんとで、余呉湖を車で1週することに。余呉湖ビギナーとしてはこれはありがたいお誘い!早速出発!
キラキラと水面が輝く余呉湖。湖畔にある桜は、つぼみが大きく膨らんでいよいよこれからが見頃の模様。 きっと最高のピクニック会場になるにちがいない。なんせ訪れた日が絶好のピクニック日和だったから。ドライブの最中もそのことで頭がいっぱい。また改めて遊びにいこう。(笑)
ぐるっと1週6.4kmの余呉湖は、琵琶湖ともまた違う静かで穏やかな感じがした。より穏やかというか・・・。
途中下車して湖畔をながめながら、少し3人で語らい。そばでキラキラと波打つ美しい余呉湖。
誰かが余呉湖畔の風景をフィンランドの風景に似ていると言っていたそうだけど、確かにそんな雰囲気があるかも。
(行ったことないけど、そんな雰囲気!)
気になった方は散歩しがてら確かめてみてね。
(文・写真:ミカミ)