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2024.01.13
プロジェクト

―アトリエレポート1- 渡辺久七商店・渡邊嘉久(わたなべよしひさ)さん

阪急うめだ本店POP UP『湖の国の木のうつわ 生木とうるし』

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2024年1月17日(水)~1月24日(火)まで、大阪・阪急うめだ本店10階 スーク暮らしのアトリエにて、POP UP『湖の国の木のうつわ 生木とうるし』の開催にあたり、今回出店される作り手をスタッフが訪ねます。

渡辺久七商店・渡邊嘉久(わたなべよしひさ)さん

watanabesanプロフィール
渡邊嘉久(わたなべよしひさ)さん / 漆職人 渡邊仏壇店の3代目の傍ら、店の一角で、ギャラリー漆器や木工品、陶磁器を取り扱う渡辺久七商店を営む漆職人。
あるきっかけで明治時代まで長浜でつくられてたとされる常喜椀を手にしたことから、11年前から常喜椀の制作を始める。自身を『漆バカ』と称し、後世に漆文化を広めるための活動や制作をしている。
《公式HP》https://urushibaka.com/ 

奥が深く、なかなか言うことを聞いてくれない漆。だから面白い!

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『30年この仕事をしていてもまだ振り回されている。それほどに漆は奥深い。いつまでたっても言うことを聞いてくれないからこそ、飽きずに面白い。』

そう語るこの道30年の塗師・渡辺さん。渡辺仏壇店の3代目でありながら、さらに漆文化を広め、後世に繋いでいくために、暮らしに寄り添った漆器『常喜椀』を11年前からつくり始めたそう。

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常喜椀とは、江戸時代から明治時代に長浜・常喜町でつくられていた漆器でしたが、昭和初期に衰退してしまい、ルーツが途絶えてしまった。ある時、曳山博物館の学芸員さんから常喜椀の存在を教えてもらい、現物を手にした探求心旺盛な渡辺さんが、文献を調べ、現代に寄り添った形で『復刻版 常喜椀』として蘇らせたのです。

喜びあふれる暮らしに常喜椀を

“塗る、乾かす、研ぐ”を8~10回繰り返し、耐久性やなめらかさを高めていく常喜椀。とても手間のかかる作業です。その丁寧な手仕事によって、口をつけた時のやわらかい口当たりや、なめらかな手触りが生まれます。さらに漆器は、使い込むほどにつやが出て、明るくなっていくところが魅力。

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毎日使うものだからこそ、良い器で食卓を囲み、心豊かに日々育てていく楽しみを気軽に味わってほしいと渡辺さんは笑顔で話します。

毎日投稿される常喜椀のインスタグラム(@nagahama.jo_kiwan)は、椀から醸し出されるあたたかい湯気に食欲をそそられ、見てるこちらも心が和みます。

ひとつずつ表情が違うからこそ、自分の目でとっておきを

季節や湿度などで乾燥のスピードが変わり、色の出方が微妙に変わってくるという漆器。よく見るとひとつひとつ表情が違う。それが手仕事に魅了されるポイントであり、とっておきを選ぶ楽しさでもあります。

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今回のうめだ阪急のPOP UPでは、気軽に暮らしに取り入れられるお箸から、定番の常喜椀。さらにインパクトのあるボウルや、渡辺さん自身も挑戦とされる新デザインに至るまで、種類豊富なラインナップをご用意。ぜひ渡辺さんとお話しながら、実際に手に取ってじっくり選び抜いてほしいです。

イベント概要『湖の国の木のうつわ 生木とうるし』

《 POP UP 湖の国の木のうつわ 生木とうるし》

とき 令和6年1月17日(水)から1月23日(火)
ところ 阪急梅田本店10階スーク暮しのアトリエ
HP 阪急うめだ本店スーク
Instagram 阪急うめだ本店10階『うめだスーク』
渡辺久七商店 在廊日 全日在廊予定
スーパー生木ラボ 在廊日 1月17日、19日、20日、21日、23日 在廊予定