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2017.02.06
暮らし案内

レポート/たべる つなぐ 湖北のくらし #2


雪がチラつくまだまだ寒い日が続く2月2日、
前回も大盛況だった郷土料理教室、
『TSUNAGU』のみなさんが主催された魅力あふれる企画
『食べる つなぐ 湖北のくらし #2』開催されました。



今回のイベントも10名予約のところが定員オーバーするほどの人気ぶり!
第1回目から参加されている方も半分ほど引き続き参加されたり、
初めて参加される30代、40代の主婦層の方もたくさん参加してくださいました。



この日、湖北の伝統料理を伝授してくださる匠は、
前回に引き続き肥田さんです。



第2弾となる今回は、
寒い湖北の冬を乗り切るために工夫されてきた冬の食卓をメニューが用意されました。



● かきもち ● しじみ汁 ● いさざ豆 ● 炊き込みご飯(干し野菜を使って)
● 季節のお漬物(大根のサワー漬け) ● ゆず茶


湖北の冬の郷土料理

冬の代表的なおやつ“かきもち”をメインにした教室は、
匠の肥田さん、TSUNAGUの川瀬さん、野本さんを中心に
荒切りして2日ほど乾燥させたかき餅を薄切りにしたり、
薄切りにしたかき餅を干すために、わらを編んで吊したり、
七輪やレンジ、オーブントースターなど様々な方法で焼いてみたりと
みなさんメモをとりながら楽しそうに取り組まれていました。


ワークショップの様子


炊き込みご飯の具材も、大根は干すことで保存食にもなり、
うま味・栄養価が高くなることや、
いさざ豆のいさざは、頭が崩れないように粗熱をとってから鍋返しをしたほうが良い。
といった、豆知識を含んだデモンストレーション形式で行われました。




湖北の冬

湖北の冬は長く、雪深かった。

そう匠である肥田さんがおっしゃいます。



今回のレシピも厳しい冬のなかで生まれた料理ばかり。
長い冬を乗り切れるように、体を温める食材であったり、
栄養価が高く、長く保存できるように加工に工夫を凝らしたものがありました。




郷土料理という、その土地ならではの家庭料理は、
その土地、その季節、重ねてきた歴史の背景のなかで、旬の食材や調理法で、
工夫すること、知恵をしぼることの大切さを私たちに伝えてくれているように思えます。




みんなで作った料理に舌鼓をうちながら、和気藹々と流れるやさしい時間。

テーブルを囲みながら、なぜこの教室への参加を希望したのかという話になりました。
今回参加された方は、結婚を機に長浜の地にやってきた女性や、
家庭、家族ができたことで食への見直しをしだした方が多く見られました。



・馴染みのない湖魚をつかった料理を食卓にだしてみたい。
・便利なものはお金を出したら買える世の中だからこそ、
 丁寧なものを作るように心掛けていきたい。
・郷土料理を学ぶ機会がなく、ずっと学んでみたいと思っていた。
・仕事で忙しく働いてきて、旬のない食事が多かったけれど、
 自然に触れながら四季を感じる彩りのある食生活にシフトしようと思った。


など、意見はさまざま。



便利になった現代だからこそ、レシピを見るだけではなかなか紐解けない奥深さを
直接匠にお話を聞きながらみんなで実践しながら、”受け継いでいく”
そんなプロセスが味わえるのも、このイベントが人気の理由のひとつなのかもしれないです。



このようなコミュニティの場があることで、仲間が増え、
なにかのご縁で湖北に移住された方たちが、
この地に馴染み、ここを故郷のように感じてもらえたら、本当に素敵なことですね。



かき餅をわらで編んで吊している様子

肥田さんの言葉ひとつひとつが、まるで宝物のように聞こえる。

そう語る、このイベントを主催するTSUNAGUのメンバーの川瀬さんも、
肥田さんから発せられる言葉の豊かさ、深さ、丁寧さに魅せられたひとり。
郷土料理というフィルターを通して、その教えのなかにある真ごころや所作が
どんどん広がっていくTSUNAGUさんの素敵な活動は、
どんどんスタッフも精一杯応援していきたいです。


集合写真

この日のために打合せを重ね、準備をしてくださった
TSNAGUのみなさん、素敵な時間をほんとうにありがとうございました。
ぜひとも次の機会をお待ちしています!!