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2018.10.18
お知らせ

クリエイターから経営者になるヒント ~舟を漕げ!2日目~

デザビレ前集合写真

舟を漕げ! 2日目

◆古民家を改装した複合施設HAGISOの感動的なアメニティとアトラクションのようなおもてなし
◆台東デザイナーズビレッジ 鈴木村長に聞く 作家から経営者になるヒント

HAGISOの感動的なアメニティとアトラクションのようなおもてなし

hagiso 受付
(HAGISOの二階にあるレセプション)
HAGISO kaidan
(築60年の木造アパートの雰囲気が残っている階段)

谷中の住宅街のなかに木造アパートをリノベーションした、カフェ、ホテル、ギャラリーが入った生き生きとした空気が漂うHAGISOという複合施設ある。女性陣の宿泊先はこのHAGISO hanareというお宿。
Hanareは、レセプションのある建物から徒歩1分ほど歩いた先にある民家をホテルにしたもので、受付の女性が場所まで案内してくれた。

hagiso アメニティ
(HAGISO hanareのアメニティ)

アメニティが充実しているのは、特に女性にとって嬉しいもの。HAGISOhanareのアメニティはとにかく素敵で感動的だった。木のお重の中にはオリジナルのパッケージのシャンプー、ボディソープ、歯ブラシ、鉛筆、ノート、手ぬぐいがそれぞれきちんと配置されていて、これらすべて持ち帰りできる。しかも持って帰りたくなるような素敵なデザインと演出、さらに言えば『ここに泊まってきたんだよ』とちょっと自慢したくなる佇まいだった。出す前に思わず写真を撮りだす女性陣。

また、面白いなと思ったのが“温泉チケット”というアイディア。宿泊者には近隣の銭湯へ行けるチケットが手渡され、谷中に数軒ある銭湯どこでも行くことができる。荷物入れとして使えるエコバッグがこれまた可愛くて、自然と銭湯へ足が向いた。そうすることで宿内のシャワールームも混雑することはなかったし、“谷中全体を宿としてみたてる”というコンセプトをいつの間にか体験していたことにハッとした。

受付がある施設の1階はカフェになっていて、そこで朝食も用意してくれている。“旅する朝食”と呼ばれる朝食は、いろんな地域の食材を丁寧に作られていて、悔しいくらいワクワクした仕掛けが詰まっていた。東京で泊まることがあれば、またここへ泊まりに来るだろう。

旅する朝食
(いろんなエリアの食材をつかった朝ごはんメニュー)
agi cafe
(たまたま発見!とび太くん人形でグッと親近感)

萩荘がHAGISOになった頃の物語

hagiso 宮崎氏
(HAGISOの代表・宮崎氏)

2日目の朝、ここHAGISOの代表、宮崎昇吉さんのお話を聞くことができた。宮崎さんは、この場所がHAGISOになる前、『萩荘』だった頃の住人。東日本大震災後、老朽化した萩荘を取り壊すことが決まり、建物との別れを惜しんだ住人たちが、建物全体をアーティストの作品で埋め尽くした『ハギエンナーレ』を開催。すると、3週間で1500人がこの萩荘に足を運んだという。ハギエンナーレを開催したことで、建物の価値が見直され、取り壊し計画はなくなり、今の『HAGISO』へと繋がったと語ってくれた宮崎さん。

現在も当時の名残ある棚や梁が残されており、古い建物が格好良く今も活躍していた。萩荘をHGISOへ進化させ、“谷中のまち全体でひとつの宿としておもてなしする”そんな下町物語をつくった仕掛け人。裏路地から長浜のまちをおもしろくしたいと思っている私たちにとって、宮崎さんが語ってくれた物語は、とても刺激的で、長浜エリアをアップデートするためのヒントがたくさんあった。

hagisoにて
(HAGISOにて。質問するタケムラ店長)

台東デザイナーズビレッジ 鈴木村長に聞く クリエイターから経営者になるヒント

デザビレで講義
(入口には舟を漕げ!東京研修という張り紙が…!)

クリエイターズミーティング2日目は、台東デザイナーズビレッジの鈴木村長による作家から経営者へ、ものづくりをビジネスとして成長させるための講義。朝から夕方までタイムスケジュールみっちりだ。

舟を漕げ!メンバーは、ものづくりやビジネスの経営をしている方ばかりなので、この1日の講義は創業したての頃のことを振り返る方もいたと思う。これまで経営ビジネスとはかけ離れたデザインの仕事をしてきた私にとって(当時マーケティング部は別にあったので企画のみ)、かなりインプットが多く途中でショートしかけたが、講義を終えたときには、自分は誰にどんなものやコトを提供できるのか、今一度考える機会になった。この日を振り返ると膨大になりそうなので、なるほどと思ったところを綴ろうと思う。

台東デザイナーズビレッジとは?

廊下
(デザビレの廊下。思わず駆け出したくなってしまうような懐かしさが漂う)

台東デザイナーズビレッジ(以下:デザビレ)は、2004年日本初のものづくり系クリエイター創業支援施設としてオープンした元は小学校だった建物。創業5年以内のクリエイターが最大3年間アトリエや事務所として入居できる施設で、ビジネスのアドバイスや仲間や業界とのネットワークを広げチャンスを作る場の提供を主な支援としている。その中でも作家の心を動かす理由は、創業したての作家がオフィスとして借りやすい価格であること何よりの魅力だろう。

しかし、誰でも借りることができるわけではなく、“本気で成長したい人だけ”がこのデザビレの門をくぐることができるのだ。申込み用紙を出すところで一種の“ふるい”がかるからこそ、デザビレを卒業したクリエイターたちの活躍は際立つのだと思う。

鈴木村長ってどんなひと?

鈴木村長
(台東デザイナーズビレッジ・鈴木村長)

“鈴木村長”として親しまれているのは、このデザビレでクリエイターの支援やアドバイスをしているインキュベーションマネージャーの鈴木敦さん。

カネボウファッション研究所勤務を経て独立。NPO法人ユニバーサルファッション協会を設立し 生涯や高齢の方が楽しめるファッションの提案や、おもにファッション関連のものづくりマーケティングやコンサルティングの経験をもつ。2004年にオープンした“デザビレの村長”として、経営のアドバイスやクリエイターや小さな企業の事業コンセプトやマーケティング指導や、産業とクリエイターを繋げる役割を担っている。

また今年で10回目となるクリエイターたちの作品が買える『モノマチ』というイベント始めた。クリエイターを集め、コミュニティを拡大、ものづくりが根付くまちの印象を与えた第一人者。今回の旅の学びは、鈴木村長が開催している創業塾で教えているものづくりビジネスの5回分の内容を1日にグググっと凝縮してたもの。

講義中
(鈴木村長によるみっちり講義にみんな集中)

やろうとしていることは、誰かに共感してもらえているか?

ものづくりをビジネスとして成り立たせていくためには、いま自分がどのステージにいるのかを知らないといけない。ものづくりを始めたものの身内ウケでとどまって伸び悩んでいる、事業拡大のステップを踏む段階で誰かを雇用すべきかを考えている、ものづくりの生産をあげるために他者へ生産を依頼すべきかどうか・・・などステージは人によって様々。だからこそ、問題視しているポイントもその人の状況や段階に合ったステップアップの仕方も人によって違ってくる。

『このプロダクトや事業で誰にどうなって欲しいのか』それを考えないといけない。クリエイターは、もののクオリティだけに注力してしまいがちだからこそ、お客さまにどうなって欲しいかを想像する力が必要ということだった。当前のように聞こえるが、自分ごととなるとつい抜けてしまいがちなことだと鈴木村長が語ってくれた。

ワーク中
(自分の事業コンセプトシートをまとめ、それを制限時間2分でメンバーに伝えるというワーク)

商品を買ってくれる方が皆、新しいものが欲しいわけではない。これを使うと、着用すると、自分がどう変化するのか。想像力を掻きたてられ、さらに商品やストーリーに同調できる部分があって、魅力を感じ、買いたい気持ちが育つ。このような『イメージの価値』を高めることがブランドを成長させるために大切。クリエイター自身を応援してくれるファンを育てていくには、まずお客様が自分ごとのように共感できるメッセージを届けられているかどうかがとても重要ということだった。

はじめて会った人にプロポーズは御法度!

この言葉がどうしても頭から離れなかった。洋服店に入ったときをイメージしてみて欲しい。たまたま入ったお店で、まだ欲しいとも思ってないときにぐいぐい接客に来られてもちょっと困ってしまう。このようにまだ欲しい気持ちが育っていない状態で売り込んでくるような行為のことを“はじめて会った人にプロポーズ行動”と呼んでいて、なるほどと笑ってしまった。

ワーク発表中

まずはじめて会った人には自己紹介。お客さまの状態に合わせた適切なアプローチをして理解してもらうことが大切。では、お客様や商品を取り扱うバイヤーはどういうことを知りたいのか、それをメンバーと一緒に考え発表するというワークを行った。それぞれの立場や経験から、ひとりでは思いつかないことも。 すっかり鈴木村長の講義を聞き込んでいたら、すでに外は暗くなってきて終わりの時間が迫ってきていた。

集合写真

2日目の講義が終わる頃には、すっかり日も暮れて、気づいたらお腹も減っていた。学校で講義を受けること自体何年ぶりだったろう。社会人になり、事業をスタートして、自分のなかに課題や問題点がうまれたこのタイミングでの鈴木村長の講義は、それぞれのステージに響くものがあり、新鮮に感じる者もいれば、事業を始めた頃を振り返る者もいて、とても貴重で刺激的な1日だった。明日の最終日はいよいよ自分達の課題を発表する日。この日を終え、発表内容を見直す者もいた。なかなか緊張が解けない3日間だ。

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書いたひと:ミカミ


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